2008年4月24日木曜日

#002.文化的景観

その土地の風土に根ざして営まれてきた、地域の「なりわい」や生活によって培われた景観・・・。「文化的景観」の保護制度がつくられて丸3年になった。
3年前からお手伝いしてきた「からつ 蕨野の棚田」は地元のみなさんの実践意欲が実を結び、佐賀大学農学部との連携も力となって、制度を活用した地域づくりに大きな一歩を踏み出している。
九州各地の文化的景観を有する地域をみていると、過疎と高齢化の波の中でもがいているところが多い。
地域におけるコーディネーターの不在。よそもの、わかもの、バカものが必要と言われても、いないものはいないという決めつけとあきらめ感が充満してしまっている。
風景づくりのコンサルタントとしては、地域独自の取り組みのロードマップをいっしょに描き、その道すじをわかりやすく示していかねばならない。あくまでも支援者でしかないが、傍観者的ではなく、その地域のストーカー的なファンとして責任をもって併走しながら、問題点や課題を洗い出し、解決策と解決手順を提案し続けなければならない。













春の里山















柳川掘割

2008年4月22日火曜日

#001.ランドスケープデザイン

「人と自然との共生」が言われて、たぶん20年以上になる。
それは、私たちの経済・生活・環境のバランスのとり方が問われていることでもある。
例えばかつて、自然と人間が一体化した自然観が受け継がれてきた時代には、山や大木などには「神」が存在し、それを守るためのルールや季節の催事がもたれてきた。
様々な「手入れ」をくり返すことで、森の自然は保たれ、山の恵みがもたらされ、清流も維持できた。
しかし、この半世紀の急激な環境の変化は、人々が持っていた「地域に対する誇り」さえも揺るがしている。
ランドスケープデザインは、造形的に「つくる」ことを単に追い求めるのではなく、長く培われた地域の文化や環境を「まもる」ことも合わせて、トータルにとらえる「風景のデザイン」である。
そして、その地域や場所の構成要素を、より質の高い方向に有機的に結びつけ一体化させていく「関係のデザイン」でもある。








































シャクナゲの庭